アヤメ基金について

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設立趣旨

「若手音楽家育成アヤメ基金」(以下、「アヤメ基金」)は、スイス・バーゼルに在住の野川等(のがわひとし)が中心となり、音楽家育成および国際文化交流の促進を支援する目的で、2008年12月に創設しました。

歴史的にスイスは、バロック期等の古楽器に優れた音楽家活躍の舞台となっています。特にバーゼルの音楽大学「バーゼル・スコラ・カントルム」(Schola Cantorum Basiliensis)は、古楽の教育・研究と普及に貢献している機関として世界に名高く、豊かな才能を持つ多くの若人が学んでいます。

「アヤメ基金」は、このようなスイス、バーゼルの秀逸な環境を活かし、篤い志のもと次の目的を掲げ地道な活動を展開します。

*バーゼル・スコラ・カントルムの卒業生・在学生を初め、広く世界から才能豊かな若い人材を発掘し、育成するための支援活動(デビューの機会の提供を含め)を行う。
*日本、スイスその他の国の若手音楽家が共演する機会を提供することにより、関係国の文化交流促進に寄与する。
*若手音楽家とコンサート等公演の場を支えるボランティアとの親交により、音楽を通じ草の根レベルからの国際交流の場を作ることに資する。
*将来構想として、音楽教育者・音楽専門家のコンサート・公演の後援、若手音楽家育成奨学金の設立、定期的コンクールの主催等の活動を志向する。

設立発起人

理事長:野川 等 会社役員
理事:(五十音順、敬称略)
佐藤 来 会社役員

アレクサンドラ・N・シュテヘリン 会社社主
髙久 暁 日本大学芸術学部教授(音楽学、美学
田口博雄 法政大学大学院政策科学研究科教授
田中哲二 (中央アジア・コーカサス研究所所長)
福井俊彦 元日本銀行総裁
山下道子 音楽学専門
国松孝次 元スイス大使


アヤメの由来
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1993年11月2日にアヤメはバーゼルの野川家で生を受けました。

4頭の兄弟の中でとりわけ小さく産まれたアヤメは、女の子。お兄さんお姉さんとの競争をしなやかに耐え、野川家の大切な家族の一員に。97年2月気温-20度の深夜、野川家のボイラー室から出火したときはいち早く主人の寝室にかけつけ、廊下に煙が充満する中、からくもみんな避難することができました。まさに『命の恩犬』です。

一方、仕事の傍ら若手音楽家の公演を支えるボランティアとして活動する野川は、自宅に音楽家を招いたホームコンサートを頻繁に開催。アヤメは日本語も理解し、ホステスとしての役割をしっかり務め、みんなに愛される存在でした。そんなアヤメに会うことが、野川家を訪れる大きな理由になっている演奏家がたくさんいることも事実。

ホールで演奏家の足下を縫って歩き回るアヤメの姿は多くの演奏家の記憶に残っています。みんなに愛されるそんなアヤメも2008年夏、1年に及ぶ闘病の後、15歳の長寿で天国に召されました。多くの方を愛し、愛されたアヤメを長く記憶にとどめるため2009年、若手音楽家を応援する基金に「アヤメ」の名がつけられました。